少女 SONYO
海の中で火をおこすこと

27 May - 17 June 2023
Opening Reception : Sat. 27 May, 17:00-19:30

 
 

この度CLEAR GALLERY TOKYOでは、少女(ソニョ)の個展「海の中で火をおこすこと」を開催いたします。
ソニョは、様々な事件や問題で溢れる現代社会の中で直面する違和感や女性性に関する自身の考えを題材に主にピンク色を主とした強く鮮やかな色彩を用いて作品を制作しています。
作家が発する多くの問いや感情を、暴力的でさえある強烈な色面と抑制された筆致で、客観的にまたシニカルに表現していましたが、本展では、新たな環境下での絵画制作に対する心境の変化とともに、より大胆なストロークと創造性豊かなモチーフによって新たな表現の探求をした油彩画とインスタレーションの作品を発表いたします。
この機会にぜひご覧いただけましたら幸いです。

いつからか声が出なくなった。正確には、声を出す体力があまり無くなった。
日は短いし、世界は永遠に騒がしい。
声を出さずにいたら、足元から静かに水が溜まり始めた。
足首を濡らすくらいだったはずの水面はどんどん上がってきて、やがては海になり、私はそこにしょっちゅう沈んでしまう。
海の中じゃ体は鈍くて声なんて伝わるはずがなかった。無力。
きっとこんなはずじゃなかった。
水面に顔が沈む瞬間、ふっと思い出す。
海の中では火なんて存在できないはずだが、腹の中にはまだ息を切らしてない火花があった。
私はそれに風を吹かせて、喉を通し、大きな火を吐き出す。
これくらいの温度なら伝わるのだろう。
今すぐこの海から抜け出すことが難しいのであれば、生き残れるよう自分の中の火花を消させずに生きればいい。
少しだけ体が温まってきた気がした。


少女 SONYO
instagram : sonyo_2

1999年生まれ、韓国ソウル出身。
武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻卒業、東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻在学中。
毎日様々な事件や問題で溢れている現代社会を生きている中で感じる違和感や女性性に関する自分の考えを、ピンク色を主とする特有の鮮やかな色味や描で表現し、東京を拠点に展示活動を通じて発言している。


Exhibitions

2023 「Born New Art vo.3」 (東京・渋谷 /+ART gallery)
2022 「ARToVILLA MAERKET」(東京・渋谷/FabCafe TOKYO)
2022 「The Finders福岡」(福岡/overground)
2022 「Pink parade」(東京・高円寺/BLANK)
2022  大阪阪急本店3F something good studioにてPOP UP開催
2022 「nightmare of now」 (東京・六本木/cleargallery tokyo)
2022 「SCREWDRIVER」 (福岡/HafHFukuoka THELIFE)
2022 「KOREAN GROUP SHOW」 (フランス/gallery joyana)
2021 「Nightmare of day」 (福岡/artpod99)
2021 「LUCKYC HARM」 (イギリス・ロンドン/mooseyart)
2021 「げきりん♡過酷ューション」(東京・新宿/新宿眼科画廊)
2021 「あなたの世界を壊すピンク色」(東京・新宿/新宿眼科画廊)