
古山結 Yui Fruyama 個展「作用と線と」
会期: 2025年4月4日(金)~2025年4月26日(土)
開廊時間: 12:00 - 18:00
場所: CLEAR GALLERY TOKYO
(https://cleargallerytokyo.com/contact)
この度 CLEAR GALLERY TOKYO は、 古山結の個展 「作用と線と」を開催いたします。 本展は当ギャラリーにおける古山の3回目の個展となります。
古山の作品は、 万物との対話の中で生まれます。 描かれた線や色彩は空間に溶け込み、 見る人それぞれに異なる感覚や印象を与えるでしょう。
前回の展示では、 単なる平面を超え、鑑賞者と作品との新たな関係性を提示しました。 近くから見る時と遠くから眺める時で、
まったく違っ た表情を示す作品のあり方が特徴的でした。今回の「作用と線と」 では、 対話がさらに深まり、 制作行為そのもの が
一本一本の線や作用となり、空間に刻まれていきます。 彼女が手を加えた痕跡は、明確な形を持ちながらもどこか曖昧さを残し、
見る人の記憶や感情を静かに揺らします。 作品のタイトルは我々にも身近な事象を連想させますが、 作られる作品はどこか遠くにも感じられます。
ぜひ会場へお越しください。 ご来場をお待ちしております。
作家メッセージ
展示の話/3 つの連想
1, 会話
最近、緩やかに集まって、会話をする機会に恵まれている。覚束ない単語を繋げて、空間に言葉で線を書く。それを一緒に眺める。
特段意味のないことから、深刻な内容まで、私たちは話をする。人間的な営みだけれど、動物( 生き物)っぽさもあるなと思う。身振りが大きくなる。
肩の辺りがこわばる。相手も自分も、流れの速い雲が落とす陰影のように、ころころと様子が変わる。
2, 身体
私たちの身体を思い浮かべる時、自然とその境界の曖昧さを想像してしまう。作用することも変化することも、豊かで怖いと思う。
話をしたり、聞いたりしたあとの身体は、何か少しだけ変わるんじゃないかと思うようになった。知見というより、身振りに押されて、
押し返しているうちに、互いになんだか別のものに変化するような。私があなたに会って変わるように、あなたのことを、わたしは知らず知らずに変えているのかもしれない。
3, 線
去年、暮れに滑り込みで行った、衣美さんとのドローイングのこと。オノマトペを手掛かりにして作ってもらった動きを、線でつかまえる。
もう何回か取り組んでいるが、「また新しい線が引ける気がする」と思う。
線を引くと、そこに空間やボリュームが生まれたように見える。面白いので、木製の画面でそれの真似事をし始めた。下地を塗って引っ掻いた線の上に、
絵具を塗ってみたら、思いのほか線が弱くなる。物質的には鉛筆よりも強そうだけど、削るというのはやっぱり「奥」の行為に感じるのかなと思う。
線のことが気になり始めている。
古山結 ふるやまゆい
経 歴
1991 愛知県出身
2012 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻 入学
2016 同大学卒業
東京藝術大学大学院修士課程美術研究科絵画専攻日本画領域 入学
2018 同大学院修了
2021 東京藝術大学大学院博士後期課程美術研究科美術専攻日本画領域 修了
博士号(美術)取得 学位授与番号 甲第1028号
東京藝術大学日本画研究室 教育研究助手
その他賞歴など
2018 修了作品東京藝術大学美術館買上げ賞
2019 文化庁「障害者の芸術活動を支援する新進芸術家育成事業」研修 修了
2021 東京藝術大学大学院博士論文「往来する身体」
2020 シェル美術賞 入選
2022 絵画の筑波賞2022 優秀賞
2023 Idemitsu Art Award 2023 正路佐知子審査員賞
2024 第12回郷さくら美術館・桜花賞展 奨励賞
個展や主な活動歴
2024
「さようならと日々」ts4312(個展)
「日々の死角」twililight(個展)
「佳詩」海風美術店(個展)
「第18回ひじおりの灯」灯篭絵制作
「あそぶものたち・すさぶものたち」Gallery Pictor (グループ展)
「空っぽの時間」CLEAR GALLERY TOKYO(viewing room)
『大崎清夏詩集』装画提供
2023
「痺れと軽快 Numb and Pop」CLEAR GALLERY TOKYO(個展)
「まなざしのむこう」UNPEL GALLERY(グループ展)
「集まって引く」吉田愛Gallery Pictor (2人展)
「離散の円」Taku Sometani Gallery (個展)
2022
「近接遠眺」CLEAR GALLERY TOKYO(個展)
「多面の水面」澤﨑華子 ニュースペース パ(2人展)
「端境に立つ」ts4312(個展)
「新・今日の作家展‘22『世界をとりとめる』」横浜市民ギャラリー(3人展)(パフォーマンス)
「地面に足がつく」gallery雨讀(個展)
2021
「話して歩いてできている」gallery雨讀(個展)
「ゆきのにわ」杉山佳 アートスペース羅針盤(2人展)
2020
「からだの中にあることば」アートスペース羅針盤(個展)
「東京藝術大学博士審査展2020」東京藝術大学大学美術館(博士審査展)
2019以前
「RIBBON」古家野雄紀 アートスペース羅針盤(2人展)
「なつのにわ」杉山佳 gallery子の星(2人展)
「青参道アートフェア:What are little girls made of ?」やましたあつこ・高橋生也 additional gallery(3人展)
「三國G SPACELESS」 Woosuk Gallery Seoul National University/日本画研究室海外交流事業展示
「Not unrelated」小山衣美・宮原万智 gallery Arai associates(3人展)(パフォーマンス)
「カキクウチ」GEMBA/板坂留五・小黒由実・櫻田康太 貸し原っぱ谷中音地 (パフォーマンス)
など